赤ちゃんに大ウケする絵本〜谷川俊太郎さんの怪作・傑作〜

我が子が赤ちゃん(生後6ヶ月)の時から7歳の今もなお読み続けている絵本が2冊あります。

どちらも谷川俊太郎さんの作品。

読んでも読んでもよく分からない、でも何故か惹きつけられる意味をなさない言葉の数々。

本当に不思議です。

そんな谷川俊太郎さんの赤ちゃん絵本を2冊紹介します。

谷川俊太郎さんの赤ちゃん絵本

詩人として有名な谷川俊太郎さんは数々の赤ちゃん絵本も手がけています。

彼はある雑誌のインタビューでこう答えています。

「ちっちゃいうちに、愛情に包まれた言葉をちゃんと身につけておくと、あとの人生、生きやすいんじゃないかな」

絵本作家インタビュー:谷川俊太郎さん | Mammoth School

赤ちゃんに読んでみるとわかるんですが、キャッキャと手足をバタバタさせて言葉を聞いて楽しんでいるのがよく分かるし、不思議な挿絵にも目が釘付けです。

大人は絵本の中に意味を見出そうとするし、それを学んでもらおうと子どもに変な期待をしてしまうことがありますが、この絵本にはそれが全くない。

ただ単に楽しむだけ!

絵本を通した言葉のスキンシップです。

7歳になった今は自分で声に出して読んで、今もなお大ウケしております。

それを見て私も大ウケ。

まさかこの絵本を7年間も愛読するとは思ってもいませんでした。

谷川俊太郎さん曰く「ナンセンスを楽しめない人になっちゃったら、絵本は子どもと一緒に読めないと思う」だそうです。

『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』

この絵本は造形作家・岡崎乾二郎さんの絵に谷川俊太郎さんが言葉をつけたものです。

岡崎さんは当時飼っていた犬のおもちゃを参考にこの絵本の絵を描いたそうです。

色の認識が弱い犬や猫のおもちゃにはハッキリとした色が使われています。

視覚がまだ不安定な赤ちゃんにも色のハッキリしたものや形を使うことで興味を引くインパクトのある絵になっています。

岡﨑乾二郎さんの絵本「ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ」 犬や猫が喜ぶ絵本は赤ちゃんも|好書好日

そしてそこに添えられた谷川俊太郎さんの言葉は全て「ぱ行」です。

「ぱぴぷぺぽ」や「ばびぶべぼ」など唇が合わさって出る音(両唇音)は赤ちゃんが喜ぶ音としてよく知られていますが、谷川俊太郎さんが織りなす「ぱ行」は「ぺぴぺぴぺぺ!」や「ぽっぺ ぱっぽ」などリズミカルで、読めば読むほど愛着が湧いてくるのです。


ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)

『んぐまーま』

この絵本も「ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ」と同様に絵が先で谷川俊太郎さんが言葉をつけたものです。

絵は現代美術家である大竹伸朗さん作。

パワーが溢れダイナミックな絵で、なんともシュールな世界が描かれています。

そして谷川俊太郎さんのこれまたシュールな言葉の数々。

好きなのは「ばーれ だーれ あまはんどら!」のページ。

もう絵本の言葉全て暗唱できます。

子ども曰く「言葉の発音が面白いし、絵もめちゃくちゃなところが面白い!」だそうです。


んぐまーま (谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」)

さいごに

これほど長く子どもの心を鷲掴みにする絵本は他にないと思います。

子どもがキャッキャと笑うとこちらも幸せな気持ちになります。

意味はどうでもいいんです。

ただ絵と言葉、谷川俊太郎さんの言う「ナンセンス」を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。

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